講演内容
ブランドの作り方とマーケティング
日時:2018年12月14日(金)場所:ITビジネスプラザ武蔵
講師:西上 寛(にしうえ ひろし)様
株式会社茶のみ仲間/ブランドプランナー
和歌山県出身。金沢大学文学部史学科卒
1992年 江崎グリコ株式会社入社
1995年 セブンティーンアイス営業戦略および販促企画を担当。
消費者キャンペーン成功。
2002年 新機軸アイスの市場導入プロジェクトリーダー
健康系アイスとして業界初の定着を果たす。
2004年 新機軸アイスの成功により社長賞獲得
2006年 ポッキー&プリッツの日量販店イベント立案実施
(現在も同記念日の主軸イベントとして定着)
2011年 ビスコ復活企画立案し成功に導く
子供向け菓子から栄養菓子としての転換を企画
2012年 起業
2013年 日本茶のある暮らしのお店 茶のみ 開店
2014年 自社ブランド商品『茶のみ』発売開始
石川県産茶葉を使った『加賀煎茶』は石川ブランドとして認定される。
2015年 高野山開創1200年記念商品を金剛峯寺と共同開発
ブランディングという言い方は自分ではしません
ブランディングというのは、そのブランドを認める人が使う言葉です。つくった商品やサービスをどうマーケットに落とし込むか、そしてどれだけ支持を集めるか、それがマーケティングです。つまり、ブランドを作ることとは、マーケティングなんです。
ブランドの作り方
一言でブランドを作ると言っても、どうしたらいいのかわからないという方、
「ブランドを作る」ためには以下の問いについて考える必要があります。
- あたなは何者ですか?
- あなたは何によって憶えられたいですか?
- マーケットはどこですか?
- あなたの事業(立ち位置)は何ですか?
- あなたの顧客(相手)は誰ですか?
- 成果(満足)に照準を合わせてみましょう。
理念とビジョンがブランドをつくる
理念とは事業を通じて社会にどのような貢献をしようとしているのか?
どのような価値観や規範に基づいて事業を行おうとしているのか?
経営戦略の上位概念であり、地軸/港/故郷といったイメージです。
これはブランドづくりに非常に重要なポイントとなります。
一例として私の会社『茶のみ』の理念を以下にご紹介します。
『日本茶』を中心として、
その伝統の継承と時代に応じた提案を通じて、
人々の心に満足感を提供すると同時に、
産地の方々の誇りを
和の都『金澤』の地から守っていきます。
ビジョンとは理念がビジョン(進むべき方向)を導きます。
そして理念から使命(なぜその事業を行うのか?)を炙り出します。
マーケティングとは土俵を造る作業
マーケティングとは自己実現(成果=顧客満足)のための土俵を造る作業。
大切なことは、マーケット(立ち位置と相手)の領域を把握することです。
そのマーケットに「何者」として登場するか?これが重要になります。
そのためにまずは、自分(個人・会社・製品)のことを知ること
理想と現実のギャップを外的要因と内的要因に分けて考えることで整理ができます。
対策の立案
問題と課題が明確になったら、対策は必ず浮かび上がります。その時に大切なのは、5W2Hを明確にすること。
・What?(何を)→対策の明確化 = 内容指示書の作成
・Why?(なぜ) How?(どのように) Where?(どこに) When?(いつまでに) Who?(誰が)→ 担当の明確化 = 実行計画書の作成
・ How much?(いくらかける)→ 予算の明確化 = 資金繰り表を作る
夏休みの計画にしない!
計画を作ると、何となくやった気になってしまうのですが、まだ何も手に入れていないのです。
やるんです。実行するんです。
そして、月に1回の振り返りを必ず実行しましょう。そこで修正しましょう。
P → D → C → A → P → D → C → A → P→さらに……
実行する際の注意点
成果に照準を合わせて優先順位をつける。
そして、大きな案件と小さな案件を同時に進める。大きな案件は成果が感じられるまで時間がかかります。それまでの間小さな案件をクリアして、達成している実感を感じながら進めていく事をお勧めします。
振り返りの際の注意点
成果が出たか?プラスの成果だけでなく、マイナスの成果も明確にします。そして要因分析。なぜ成功しなのか、なぜうまくいかなかったのか。その背景を常に抉り出す習慣をつけましょう。
一番大切なこと
①成果に照準を合わせて
②具体的に掘り下げて
③忘れないこと(絶対に!)
④諦めないこと
⑤やり続けること
成功するまでやり続けると失敗ではないんです。
■レポート:株式会社フィックス/加藤 宏
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次回のFIXプロモ研究会は、1/21(月)「クリエイターのためのデザイン心理学Up to Date ―ヒトとモノ、情報をつなぐ研究の最前線から―」と題して、金沢美術工芸大学の荷方 邦夫さんを講師にお送りいたします。