『あなたのAI偏差値がアップする講座』
AIの基本・最新実例から、未来予測まで 
第16回FIXプロモ研究会セミナーレポート

講演内容

あなたのAI偏差値がアップする講座 〜AIの基本・最新実例から、未来予測まで〜

日時:2020年1月17日(金)場所:ITビジネスプラザ武蔵 5F 研修室1

講師喜多 俊之(きた としゆき)

株式会社Nextremer AIエンジニア
1987年、石川県白山市生まれ。東北大学大学院理学研究科修了。専門は海洋物理学(修士)。大学院修了後は東京のシステムインテグレータにて複数のデータサイエンス、機械学習プロジェクトに携わる。現在はAIベンチャー企業「Nextremer」にて画像認識、時系列予測等の各種プロジェクトをはじめ、自社プロダクトの開発にも参画。AIエンジニアだけではなく、セールスエンジニアとして、またチームマネジメントなどにも幅広く対応。2019年6月、Nextremer第2の地方拠点となる「金沢AIラボ」を開設し、その初期メンバーとして活動拠点を金沢に移す。「人とテクノロジーの協働」をミッションに掲げ、「現場で使える先端技術」をモットーにAI技術の普及を目指して金沢を中心に活動中。

1.AIの基本

AIがやっていること
⬇️
y=ax+b

どんなデータを、どんな関数に入れて、どんなデータを導くかということ。
つまり、「何を入れて」「何を出すか」を、データで考えること。
あとは、何を解決したいのか、業務知識をどう応用するか、アイデア勝負!

AIの歴史と第三次AIブーム

AI>機械学習>深層学習

2.AIの応用

画像認識の仕組み

画像を入れて…

●これって何?→分類問題

/不良品判定…正常品と不良品の写真データをひたすら用意しファイル分けし学習させる

/きゅうりの等級判別…2L・L・M・S、、、の写真データをひたすら用意しファイル分けし学習させる

●どこに何がある?→検出問題

/イチゴの検出と成熟度判定…「位置(座標軸)の情報」と「成熟か未成熟か」の情報を学習させる
→位置を特定して自動収穫ロボットに応用したり、成熟度別に数えて収穫量を予想したりに活用可能

/交通状況の把握や危険察知
→検出結果を何に使いたいのか。

交通量調査、暗い工事現場で人を見つけて危険回避、店舗内の人を見つけて動線分析、など

/ポーズ推定…目の位置、全部の関節について位置を指定
→検出結果をどう使うか。

介護現場で寝ている人が危ない姿勢だったらアラート、うつむいている姿勢は居眠りとみなして注意喚起、など

●どの範囲にある?→セグメンテーション問題

ピクセル単位で、どこからどこまでが何なのかというデータを用意する。

/顔領域…顔の範囲を1、顔以外を0とするデータを用意する

/自動運転…各ピクセルごとにどの種類(1:人 2:道路 3:樹木 4:ポール)なのかを入力する
→検出結果をどう使うか。

走行可能な道路の範囲を運転。樹木の領域を求めて街の緑化度合いの計測、など。

/画像診断…各ピクセルごとに、癌 or not の値を設定(0:正常/1:癌細胞)
→検出結果をどう使うか。
熟練医師の経験的な判断を学習させる。未熟な医師でも適切な診断が可能に。
ARと組み合わせて適切な切除範囲を可視化、など。

自然言語認識
●翻訳(例/Google翻訳)

翻訳前の文章(入力)と翻訳後の文章(出力)の大規模な対訳を学習

●FAQ(よくある質問)対応/知識習得・教育など

社内のヘルプデスク、顧客問い合わせ窓口、社員の教育、過去事例の検索、など。
チャットポッドが対応できないものだけを人が対応するなどして活用。

時系列データ予測
●農業の収穫量予測(販売価格の調整・交渉)
●飛行機などのダイナミックプライシング(最適な需給バランス)
●最適なリソースの配置(飲食店の従業員やアルバイトの人員配置)
広告系の事例
●レコメンドでの活用事例

ファッション人工知能アプリ「SENSY」(三越伊勢丹)
・あなたに似合うコーデ…利用者の「好き」「嫌い」を入力。好き度だ高ければレコメンドする。
・著名スタイリストがあなたのコーデを判断…スタイリストがコーデ画像を採点入力。ユーザーがコーデ画像を入力すると採点。

●WEB広告での活用事例

WEB広告配信ネットワーク「CANDY」
コンテンツ内に多く含まれる単語を抽出→抽出された単語が多く含まれた商品を選択して掲示

3.AIの未来予測

ちょっとした変化はかなり起こる
●音声入力…すべてのインターフェイスが人が本来持っている機能に近づいていく
●自律飛行/運転など(=ロボティクス)
●最適化(スマホの充電のスケジューリング)

なぜ“ちょっとした変化”なのか

AIが提供する価値は“付加的”なもの

・弱いAI(=特化型)であるため、全業務プロセスの中の一部分でしか活用できない
・”人工”知能なので、(極端に言えば)人がやれていることの置き換えに過ぎない

代替手段がすでに存在することが多い

・音声入力 → キーボードを使えばとりあえず入力はできる
・自動運転 → 人が運転している
・倉庫内の自律ピッキング → 人がやれている
・ダイナミックプライシング → 人の経験で実現している

4.AIの活用に向けて

実務での活用を検討する際の考え方

AIだからと言って特別な考え方は不要

付加価値としての使い方が多いため、「すごいこと」をやろうとしなくていい。
ちょっと便利にしたいな、というところで使われやすい。
あくまでも“人工”知能なので、知能(=人)がやっていることを基準に考える。
特殊なこと、今までになかったことをいきなりやらせようとしない。
[×] AIを使って何かやりたい!→
こうやって始めたプロジェクトはほぼ間違いなく失敗します
[○] 現状の問題は何?それをAIで解決出来ないか?→
これが正しい始め方です
AIありきで始めても失敗する理由

●アイデアが奇抜すぎてデータが無く始まりすらしない
●具体的な課題に落とし込めていないので、精度が妥当かどうか判断できない(費用対効果が算出できない)
●100%じゃないといけない課題でAIを使おうとしてしまう
「90%の精度出た、すごい。でも運用を考えると失敗する可能性があるのだったら、結局人が最終チェックしないといけないから意味ないよね」
●PoCで精度は出たけど、現状そこまで困っている訳でもないので本番運用しない

どういう課題に適用しやすいか

●人の感覚・経験に頼っていること(職人技など)
●人も失敗すること
AIも絶対に失敗するため、業務プロセスの変更も含めて費用対効果(特に人件費)で考える

どうデータ化(デジタル化)するか

・普段の業務で
”何を見て (目)”、“何を聞いて (耳)”(関数の入力)“何を判断しているか”(関数の出力)
を基準に考える

何を見ているか
・カメラで撮ったりスキャンしたりすればほぼデータ化できます

何を聞いているか
・録音・マイクで集音すればデータ化できます

何を判断しているか
・融資の可否 → 返済可能性の確率をAIで出す
・誰を接客すべきか → 接客が必要そうなお客さんをレコメンド

応用時の注意点

●100%はあり得ない
・人と同程度、もしくは人以上であれば良いシーンで使用
・不良品チェックは人も絶対に見落とすことはある(自動化)

●人をサポートする機能として使用
・病気の診断に使用するが、医師が気付かないものを指摘するだけで、最終的に治療

●方針を決めるのはAIではなくて医師(意思決定の支援)

●最後の仕上げは人が行う
・AIがうまく判定できなかったものは人が判定する(省力化)

■レポート:株式会社フィックス/加藤 宏
最後までお読みいただきありがとうございました。株式会社フィックスの映像事例集も随時更新中ですので是非ご覧ください!

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