『声と言葉のレッスン』
第6回FIXプロモ研究会 セミナーレポート

講演内容

声と言葉のレッスン

日時:2018年11月29日(木) 場所:語りバコ。

講師林 恒宏(はやし つねひろ)様
語り手・音声言語指導者/株式会社「研声舎」代表/声とことばの磯貝メソッド®正講師
声とことばの磯貝メソッド®金沢塾代表

北陸を中心にテレビ・ラジオ番組、CM等のナレーションで活躍中。音声学講師の磯貝靖洋氏(Vocal Arts Service Center代表 本部東京)に2002年より師事し、本格的に「声とことば」の勉強を開始。2013年、東京「声とことばの磯貝メソッド®」の正講師となる。また、ビジネスマンに向けたセミナーや地元の小・中学校、高等学校でのワークショップ等も多数行っている。出演舞台は、寺院や能楽堂での「林恒宏の独り語りシリーズ」等多数あり。上質な「語り」の道を究めるため、現在も研鑽中。

あなたは、自分の声が好きですか?

一般的に「自分の声が好きですか?」という問いには、「嫌い」と答える人のほうが多いそうです。

自分の声を好きになっていくと、自分の人生が好転します。
私自身、声の勉強を始め、2年ほどで、自分の声が磨かれていくのを感じ、それと同時に自分の内面も磨き上げられていくのを感じました。

実は、それまでの私は、自己中心的で、引っ込み思案、めんどくさがり屋で、昔の私を知っている人からは「別人のようだ」といわれます。

では、なぜ声を磨くと内面が磨かれるのでしょうか?

声というのはコミュニケーションの手段であって、必ず相手があるものです。従って、声は相手に受け取りやすいように調節しながら使うのが効果的です。
例えば、小さな空間で、相手に配慮しないような大声で話されると、それがたとえどんなにいい声でも、聞き手に威圧感を与えてしまいます。

つまり、いい声とは、「相手をおもんばかる」事が、最大の条件といえるわけです。
結果として、いい声を意識して生活すると、相手をおもんばかる事につながり、自分の内面も自然と磨かれるというわけです。

胸に響く音を今日は短い時間の中でトレーニングしていきますが、これを身に着けると、聞く相手にも響く音になります。
すると、自分に芯ができ、自分に自信がみなぎるようになります。
周りの目におびえず、自信を持って仕事や生活が送れるようになり、自分が「できる」と信じられるようになる。
自分の声を愛せれば、自分の夢に向かって、力強く歩むことが出来るようになります。

おりんをイメージした声の解説「鳴り」と「響き」

仏壇等においてある「おりん」の音をイメージしてみてください。
「ちーーーーーーん」というあたり一帯に響き渡る音を聴くと、心が静まります

しかし、そんな「おりん」も、必要以上に強くたたいたり、おりんに指が触れていたりすると、途端に耳障りな音になってしまいます。

よく響く音を周りにならそうと意識すると、自然と手首が柔らかくなるなどの配慮や構えが必要になってきます。いい音を出すには、音を周りに響かせるための「たたき方」や、たたくための「姿勢」などが大切であるという事です。
この原理は、声にも言えるのです。自分たちの体はいわば楽器なのです

多くの人は、構えが無く声を出しています。ガンっと力任せに「おりん」をたたくようなものです。
いろんなプレッシャーなどによって体がこわばると、さらに力任せの声になってしまいます。
声がいくら大きくても、周りに響いては行きません。
こういう状態を「鳴り」が強い状態と言います。例えばアニメの声優さんの声などがそういう状態と言えます。(彼らはあえて「鳴り」を強調した声を出しています)

体を柔らかく使えて、いい構えがあれば、本来、声は周りに響いていくはずなのです
声には「鳴り」と「響き」があるのです。

3人一組でレッスン

・姿勢を整えて声を出す「ではこれより○○をはじめさせていただきます」
・呼吸を整えて声を出す(深い呼吸方で芯のある声に)「何かご質問はございますでしょうか」
・響きを変える(胸の響きを意識し、意思を前面に出す)「その件につきましては、どうぞご安心ください」
・自己中心的/利他的に言ってみる「おはようございます。」
・感情的/理性的に言ってみる「もう少しわかりやすく言ってくれませんか」
・お客様に安心感・信頼感を与えるように言ってみる「何かご不明な点がございましたら何なりとお尋ねください。」
・どういう声で言ったら相手に伝わるかを考える「〇〇さんのおかげで助かりました。ありがとう。」

さいごに

いい声を出すためのスキルは、1日で身に付くものではないのですが、物理的に声を出すのは体で、特に喉周辺であることから、人前で話す前などに、首周りのストレッチなどを行う事等は有効な方法であるようです。
また、当日先生が足袋をはいていらっしゃったのですが、その理由が、「脚から床の感触を確認して声を出すようにしている」とお話されていた事が、体全体を使って声を出すという事をイメージさせるエピソードでした。

■レポート:株式会社フィックス黒田朋宏
最後までお読みいただきありがとうございました。株式会社フィックスの映像事例集も随時更新中ですので是非ご覧ください!

次回のFIXプロモ研究会は、12/14(金)「ブランドの作り方とマーケティング」と題して、元江崎グリコブランドプランナーの西上 寛さんを講師にお送りいたします。

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